私たちの身体を守ってくれる免疫力。
免疫力をあげることは、私たちがいつまでも健康に過ごすために重要なんです。
この免疫力、男性と女性で違いがあることはご存知ですか?
免疫力に違いがあると、免疫力をあげる方法も異なってくるんです。
免疫力の男女の違いと、それぞれに合った免疫力をあげる方法をご紹介します。
01.男女の免疫力の違いとは?
02.女性の方が風邪に強い!?
03.男女別ライフスタイルで免疫力をあげる方法
04.免疫力の大敵【ストレス】を上手に発散する
05.男性・女性に合った免疫力の強化で病気に負けない体に!
01.男女の免疫力の違いとは?
私たちの身体を守るために働いている免疫細胞。
免疫細胞は、さまざまな種類の細胞が協力し合いながら、免疫システムを構築しています。
免疫細胞についての詳しい内容は、こちらの記事をご覧ください!
→体を守る【免疫細胞】の種類と働きをご紹介します!
そしてこの免疫システム。
実は、男女で多少異なっており、免疫細胞のリンパ球平均比較には、違いがあるんです。
私たちの身体の免疫力を担う、白血球全体に占める平均的な比率は、
・顆粒球 約60%
・リンパ球 約35%
です。
これは、あくまで男女合わせた平均値で、実際には男女には少し差があります。
男性の平均比率は、
・顆粒球 64%
・リンパ球 31%
なのに対して、女性の平均比率は、
・顆粒球 57%
・リンパ球 38%
になっており、男性は、どちらかというと顆粒球が多く、女性はリンパ球が優勢になっています。
このように、女性と男性には免疫細胞の比率に違いがあるため、生まれながらにして男女間には【免疫力】に差があるんです。
そして、免疫力に差が出る最大の要因は【性ホルモン】なんです。
【性ホルモン】は、男女の生殖機能や組織に関わるだけではなく、身体つきなどでわかる、”女性らしさ”や、”男性らしさ”を作るためにも働いています。
男性ホルモンと女性ホルモンは、構造上での違いは少ないのですが、その少しの違いが、相反する身体のつくりや、免疫系にも影響を与えているんです。
また、昔からの人間の生活は、男性が外に出て狩りを行い、食べ物を家族に持ち帰るという生活を送っていました。
そして、男性は獲物と戦うために、筋肉が発達します。
外で狩りをすれば、怪我をすることも多く、その怪我の細菌感染に備え、顆粒球が多くなっているんです。
それに対し、女性は基本的に家で子育てをするため、顆粒球はそれほど必要ではなく、妊娠・出産のために体内を安定させる必要性があるために、リンパ球が優勢になるんです。
こうした、動物としての従来の生活パターンの違いが、リンパ球比率の男女差に現れていると考えられています。
02.女性の方が風邪に強い!?
昔から男の子よりも、女の子の方が育てやすいと言われてきました。
これは、女児よりも男児のほうが感染症にかかりやすいということなんです。
リンパ球の多い女性は、微生物が体内に入ってきた場合に、すばやく排除できます。
また、臓器移植をすると女性の方が早く拒絶反応を起こすとも言われています。
これは臓器という異物に対して、リンパ球のT細胞が敏感に反応するからです。
同様に、抗体をつくる能力(リンパ球のB細胞)も女性の方が高いようです。
これもまた、女性が男性よりも、免疫細胞であるT細胞・B細胞が活発に働いているためなんです。
近年の研究により、この免疫力の男女差について明らかになってきており、男性は女性よりも風邪などの感染症に対する抵抗力が弱いことが分かってきました。
また、男性は女性に比べ、呼吸器疾患や一般的な風邪といった特定の病気からの合併症を起こしやすいんです。
リンパ球の数だけではなく、この原因に1つはやはり【性ホルモン】の違いです。
男性ホルモンの【テストステロン】が免疫システムを抑制するのに対して、女性ホルモンの【エストラジオール】は免疫システムを保護するため、もともと備わっている免疫力は女性の方が強いとされています。
しかし、この免疫システムは男女共通で、【自律神経】により調整されています。
この自律神経が乱れることにより、免疫システムに異常をきたすことは、男女とも同じで、免疫システムが乱れることで、さまざまな身体の不調や、病気の原因となってしまいます。
複雑な免疫システムですが、逆に整えることができると、いつもの生活を健康的に過ごすことができるんです。
03.男女別ライフスタイルで免疫力をあげる方法
もともと備わっている身体のつくりや、免疫システムに違いがある男女の免疫力をあげるためには、その方法も男女で異なります。
まず女性ですが、女性は男性に比べ筋肉が少ないため、身体が冷えやすいです。
身体の熱の多くは、筋肉細胞で作られているため、筋肉量の多い男性は熱の産生が大きく、筋肉量の少ない女性は、熱の産生が少ないため、温度が下がるとすぐに冷えてしまいます。
冷えは、万病の元。
体温が1℃低下すると、免疫力は30%も低下してしまうと言われています。
健康的な人の体温の平均は、【36.5〜37.1度】。
それ以下の人は、低体温と位置付けられ、さまざまな病気の原因になってしまうんです。
実は、現代女性の平均基礎体温は36.5℃で、36℃未満の女性が38%もいるという結果が報告されています。
この平均基礎体温は、年々低下している傾向にあるようです。
女性はもともと冷えやすい体質を持っていることや、体内の環境を安定させる必要があるため、とにかく身体を温めることを健康維持の基本とするべきなんです。
夏になれば、オフィスなどでの冷房設定温度問題がしばしば起こってくるかと思いますが、女性の健康を守るために、男性は女性に温度管理を任せてあげましょう。
また、男性の場合、興奮のしすぎが免疫力の低下を招きやすいんです。
動物としての生活本性からか、男性は女性に比べ、何かと闘争的です。
怒ったり、興奮したりと、闘争的行動が多いほど、交感神経を優位にさせ、自律神経のバランスを崩し、免疫力を低下させてしまいます。
男性は女性に比べ顆粒球が多く、交感神経が優位になることで、その量が増加します。
顆粒球は体内に侵入してきた病原微生物を中心とする異物を貪食し、自らが発生させた活性酸素でその異物を殺す役割があります。
顆粒球が体内で増えすぎると、活性酸素を増やす原因にもなり、身体にさまざまな炎症を起こすことになってしまいます。
興奮しないことは、難しいかもしれませんが、できるだけ穏やかに過ごせる暮らしを心がけ、興奮することがあったら、それを鎮める自分なりのリラックス方法をもっておくことが大切です。
04.免疫力の大敵【ストレス】を上手に発散する
免疫力を低下させる大きな原因の1つに、【ストレス】があります。
このストレスは、男女とも共通して免疫力を下げる原因になるんです。
適度なストレスは、生活に張りを与えてくれるので問題ないのですが、
【強いストレス・持続するストレス】が継続的にかかると、交感神経を緊張させ、身体を低体温にしてしてしまい、結果的に顆粒球を増やし、リンパ球を減らす体内環境にし、体内の活性酸素を増やす原因になってしまいます。
体内で増えすぎた活性酸素は、身体の様々な不調の原因である【慢性炎症】の原因となります。
【慢性炎症】については、こちらの記事をご覧ください。
→免疫力とは?
そして【強いストレス・持続するストレス】が継続的にかかった状態が続くと、免疫細胞のNK細胞の数や比率が低下します。
NK細胞は、他の免疫細胞の中でも即戦力として働き、攻撃的にウイルスに感染した細胞など、異常のある細胞を破壊するのが仕事です。
つまり、NK細胞の活性(NK活性)が低くなれば、感染症などの疾病に罹りやすくなり、がん細胞などの異常な細胞を排除できなくなってしまうんです。
しかも、過度なストレスによる低体温状態では、がん細胞ができやすくなるということが分かっています。
ストレスも、自律神経も、免疫力も、すべては【バランス】が重要です。
過度なストレスを感じた時は、それを早めに解消することがとても大切です。

上記は、ストレスの解消法を男女別に示したグラフです。
男性は、趣味やスポーツ・飲酒、喫煙・ギャンブルなどが多く、女性はおしゃべりや買い物、飲食が多く、男女差がはっきりと分かれます。
これは、ストレスの解消には、男女の脳での快を感じることが異なっているためです。
人はストレスを【脳】で感じています。
先ほどもお伝えしましたが、昔から体の仕組みの違いから、男性は狩りへ出かけ、女性は巣である家と子供を守るという役割を与えられ、そういった生活の中で、遺伝子レベルで染み付いてしまった習慣で、男性脳と女性脳に違いが出てきたと言われているんです。
この違いから、男性は【目的重視の脳】、女性は【協調性重視の脳】になっていきました。
そのため、趣味に没頭したり、ぼーっとする時間を大切にする男性に対し、女性はおしゃべりや買い物で共感を得て、ストレスを発散させるという違いが生まれています。
男性と女性では、脳のしくみから、ストレス発散法にも違いがあるので、お互いの考えを尊重してあげることも、大切な人の健康を守ることに繋がっていきます。
またその人ごとの気質や嗜好、そして性別に合わせてストレス解消法を探さなければなりません。
特に、男性と女性では脳が快を感じる方法が違うこと、そしてこの快の感じ方の違いがストレス解消法に大きく影響しているということを理解し、自分にあったストレス解消の方法を見つけましょう。
05.男性・女性に合った免疫力の強化で病気に負けない体に!
免疫力の低下の大きな原因は、ストレスによって交感神経が優位の体内循環に陥っているためです。
しかし、そのことを理解していてもストレスがかかっていることを自覚しなかったり、ストレスの正体がはっきりしないこともしばしばありますよね。
ストレスといっても、実に多様で、働きすぎ・睡眠不足・心身的ストレス(疲れなど)・悩みや心配事・精神的ストレスなど、人によって感じるストレスはさまざまです。
そのため、自分にとって何がストレスなのか、生活の仕方や心のあり方を振り返ってみましょう。
ストレスの原因が明確になれば、脳は本能的にそれを排除しようとします。
疲労が原因であるとすれば、自然に身体を休めようとし、上手く息抜きの時間を作るように考えられるようになります。
しかし、【適度なストレス】は緊張感や能力を高め、困難を克服し目標達成の充実感は人生にメリハリを与え、人間の成長 にもつながり無くては成らない【人生のスパイス】ともいわれ、良い効果もあります。
重要なのは、ストレスを溜めないようにすることです。
あなたにあった上手なストレス発散法を見つけ、身体を守る【免疫力】を高めていきましょう!
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